人馬一体となり観客を魅了する
この競技は、なんといっても人馬一体となって競うところが他の競技と違うところです💡
その中でも「馬上馬術」という種目は、ステップなどの演技をいかに正確に、美しくできるかを競うわけで、まさに日頃からの馬との信頼関係、調教の賜物と言えます。
そんな馬術の本場はヨーロッパ、中でもドイツは強豪です。
その理由は小さい頃から馬と慣れ親しむ文化があり、競技人口も多いからですね。
日本はその点、馬術を行う人が少ないので、なかなか上位には食い込めないという状態が続いています。それでも、ロンドン大会では法華津 寛(ほけつ ひろし)選手が71歳で馬場馬術の代表となり注目を集めました😊
当時、名前が”ホケツ”なのに”代表”なんて揶揄されていたので記憶に残っているかもしれません😅
しかし、そんな法華津選手、未だに現役なんです!
しかも東京オリンピックの代表を目指しているとのこと!
いやはや恐れ入りました😓
もし出場すれば、五輪最年長記録を塗り替えるそうです💡
これはレジェンドから目が離せませんね😁
馬の競技特性を決める要素
人馬一体である以上、馬の素質も欠かせません。
馬の競技特性を決める要素として、ホルモンの一種であるオキシトシン、ドーパミンがあります。
これは馬術で使われる馬だけでなく、競馬で使われる馬にも言えます。
簡単に説明すると、オキシトシンはリラックス効果をもたらすホルモン。
よく分泌されるシーンは、母親が赤ちゃんの世話をしたり、母乳を与える時です。
そのため愛情ホルモンとも言われます。
一方のドーパミンは快楽をもたらすホルモン。
快楽は脳にとって大好物なので、繰り返しドーパミンを求めて特定の行動を取るようになります。
つまり、結果的にやる気にも繋がってくるホルモンですね。
“好きこそ物の上手なれ”ということわざがありますが、まさにその部分に大きく関わっているホルモンとも言えます。
どちらのホルモンにも共通することとして、ストレスを感じると分泌が減るということです。
馬で言えば、調教を受けた時それをストレスと感じている場合、オキシトシンもドーパミンも下がり、結果的にパフォーマンスが下がってしまうということなんです。
これが馬の特性を決める由縁というわけですね。
人と動物の間でも出るオキシトシン
元々は人と人との間、犬と犬との間など同じ種族の間でしか分泌されないと言われてきました。
しかし近年、人と犬との間でもお互いにオキシトシンが分泌されることがわかってきました。
では人と馬の間ではどうでしょうか?
調べてみると、実際この研究をしている人は少なかったです。
しかし、1件だけ面白い論文を見つけることができました💡
全ての馬の値をもとにオキシトシン,ドーパミン,コルチゾールの濃度の前後比較を行った結果,統計的な有意差は得られなかったが,これは個体差が関連すると推測した。
一方で,個体間でのオキシトシンやコルチゾール,ドーパミン濃度の前後比較において,増減には明らかな個体差があることが分かった。
平常値(基礎値)が高い馬と,そうでない馬がいることも明らかとなり,これは馬の素質として重要な指標であると考えられる。
渕上真帆 (2018) , 障碍者乗馬に用いる馬の特性評価と適性に関する研究 学位論文 (未公刊)
実験ではストレスを感じた時に放出されるコルチゾールについても調査をしていました。
基本的にコルチゾールが分泌される時はストレスを感じている状態なので、オキシトシンとドーパミンは減少します。
いずれにしても馬全体での結果は有意とならなかった(統計上、差は認められない状態)そうです。
しかし個体によっては、有意となるものがあり、また、ホルモンの基礎値が元々高い馬もいるということです。
つまり、一部の馬は人が接した際、オキシトシンやドーパミンが増える、あるいは接する前からオキシトシンやドーパミンの値が高い馬もいるということです。
そういった馬は、人の行動に対して理解を示すことができるので、素質が高いと言えるわけです。
すなわち、ペアを組めば良いパフォーマンスに繋がる可能性があるということですね!
今回は、「馬上馬術」に触れましたが、他にも「障害馬術」、「総合馬術」という種目があります。
特に「障害馬術」は日本が唯一金メダルを獲得した種目です!
再び頂点を取る日が来てほしいですね!
今日はオリンピックで唯一動物が登場する“馬術”について掘り下げてみたいと思います!