1894年(明治27年)6月23日、フランスのクーベルタン男爵の提唱により、国際オリンピック委員会(IOC)が設立されました。それから半世紀以上経った1948年、当時のIOC総会において、6月23日が“オリンピック・デー”と定められました。
ちなみに第1回オリンピックの競技は、陸上、競泳、体操、ウエイトリフティング、レスリング(グレコローマンスタイル)、フェンシング、射撃、自転車、テニスの9競技。また、当時の参加は男子のみでした。
【なぜ陸上トラックは左回りなのか?】

これは未だにはっきりとした理由が示されておらず、様々なことが言われています。
代表的なものを3つほどご紹介しましょう。
①世の中に右利きの人が多いから
②心臓が左にあり、重心が左にかかりやすいから
③欧米では左から右に文字を書き、それに合わせるようにトラックも左回りに設計した
(観客から選手を見た時、左から右に動いていく)
といった具合です。
ただ、この中において僕が最も有力視しているのは、①の世の中に右利きの人が多いからという理由です。
実際、どのくらい右利きが多いかは以下に示されています。
人間では、利き手、利き足、利き目、利き耳が右であることが圧倒的に多い。右手が利き手のものが全人口の約90%,右足が利き足のものが約80%,右目が利き目のものが約70%,右耳が利き耳のものが約60%といわれている。
参考文献:杉下守弘『世界大百科事典 11 改訂新版』、平凡社、2007、374頁
では、なぜそう思うかと言うと…
誰しもカーブを走る時には、遠心力に負けないように体を内側に傾けますね?
もし左回りにカーブを走るなら体を左へと傾けるはずです。
この時、自然と左側が軸となるので、右利きの人にとっては都合が良く、走りやすいのです。
結果、良い記録にも繋がると考えられます。
よって、世の中に右利きが多いことが陸上トラックを左回りに走る理由にしたと思うのです。
特にスピードの速い200m、400m、400mハードルなどの種目はその影響を受けやすいでしょうし、場合によってはそれ以上の距離でも違いが出てくるかもしれません。
その分、利き足が”左”という場合には不利に働くはずです。
しかし、競技を何年も続けていれば、例え利き足が”左”であっても、左回りで走ることに慣れてくるでしょうから、影響は少ないかもしれません。
実際、あのウサイン・ボルト選手も左利きでした。
100mはカーブが無いので、利き足に関係はありませんが、200mでも余裕ある勝利、そして世界新記録を叩き出しましたね。
とは言え、本来の体の特性を考えれば、左利きの人は右回りにカーブをとった方が走りやすく、記録も出やすいと考えられます。
あるいはもしボルト選手が右利きだったら、もっととんでもない記録が出たかもしれませんね!
☑️ 過去のオリンピックでは右回りに走ったことも!
実は、第1回アテネ大会(1896年)から第3回セントルイス大会(1904年)までは右回りに走っていたという記録が残っています。
しかし、その後、選手から「走りにくい」というクレームが入り、第4回のロンドン大会(1908年)以降は基本的に今と同じ左回りに統一されたようです。
この理由は冒頭でも触れた通り、まだ解明されていません。
しかし、「左回りは多くの人にとって走りやすい」という事実だけははっきりしていますね!
ちなみに競馬の世界では右回りにカーブをとることもあり、馬にも利き足があるようです。
競馬レースのようにどちらの回り方もあったら、左利きの人にももっとスポットが当たったかもしれないですね!

陸上トラックだけでなく、普段、我々が利用するスーパーやコンビニといったお店なんかでも左回りを意識して設計してあることが多いです。
それだけ左回りが定着しており、動きやすいこともわかっているのですが、それでもまだその理由が解明されていないのはちょっと不思議ですね(笑)
今日は9つある競技の中から陸上競技をピックアップし、その中でも選手が走る“トラック”に注目してみたいと思います!