ボクサーにとって動体視力は重要?
以前、日テレのニュース番組 “ZERO” の中で、当時V10のかかっていた長谷川穂積選手を特集していました。
(調べてみたら、もうかれこれ10年以上前に放送されたものだったので、驚きました…)
その中で、動体視力を測るコーナーがあったのですが、比較対象としてプロ野球の田中将大投手、青木宣親選手も参加していました。
その時、僕の中では圧倒的にボクサーの方が動体視力は上だと思っていたんです。
そして、野球選手よりも良い結果を出し、「やっぱりボクサーはすごい!」みたいな展開を予想していたんですよね(笑)
ところが結果は逆で、野球選手の方が動体視力は上だったのです。
この結果にかなりの衝撃を受け、未だに覚えているのですが、ここからわかることはボクサーにとって動体視力は重要と言えないということです。
動体視力が優れていてもボクシングには利用できない
では、なぜ重要とはならないのでしょうか?
それは人間の反応時間が大いに関わっているからです。
物が光ったり、音が鳴ったりしてから反応するまでの時間を単純反応時間というのですが、これを調べた実験では以下の結果が示されています。
平均的な反応時間は、視覚刺激の検出では180から200ミリ秒、聴覚刺激の検出では140-160ミリ秒である
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
すなわち、視覚だとおおよそ0.2秒、聴覚だと0.15秒くらいということです。
今回は動体視力の話をしているので、聴覚のことは置いておきますが…
では、ボクサーが繰り出すパンチのスピードはどのくらいでしょうか?
ボクサーのパンチの速度は、平均で時速30キロから時速40キロとされ、およそ公道を走る車の速度と同程度とされています。
出典:excite ニュース
仮にパンチの速度を時速30km、相手との距離をわかりやすく1mとして計算すると、パンチが到達するのに0.12秒かかることになります。
実際にはもっと近い距離でパンチを打ち込むでしょうから、それを加味すれば遅くとも0.1秒くらいになるでしょう。
つまり、視覚の反応時間は早くても0.2秒弱なので、パンチを繰り出されて、それを見てから避けるというのは不可能ということになります。
もし一歩譲って、反応できたとしても、体を意識的に動かすには最低0.5秒必要と言われているので、どちらにしろ回避することは難しいでしょう。
⏬これは以前の記事にも詳しく書いていますので、興味のある方は参考にしてみてください。
そういったわけで、動体視力はボクシングに利用できないのですが、ではどうやってボクサーは相手の攻撃をかわしているのでしょうか?
僕は経験者ではないので、あくまで推測になりますが、相手との距離感、拳の位置であったり体勢、あるいは様々なモーションなどから総合的に判断して攻撃の軌道を読んでいるのではないでしょうか?
そして相手が動くのとほぼ同時に自分も動いて攻撃をかわしているのでしょう。
また、このスキルを磨くには、やはり場数をこなすことかと思います。
つまり経験ですね。
基礎の練習も大事ですが、それと同じくらいスパーリングや実戦も大事で、これこそが攻撃回避のスキルアップに繋がるのではないかと推察します。
今回は、ボクサーの動体視力について着目してみました。
それが通用しないほどの驚異的なスピードには驚きですね!
こんにちは、ヤスオです。
今日はリング上の熱い戦い“ボクシング”について掘り下げてみます💡